成年後見
成年後見
成年後見の小噺なのですよ~ 第2話
「成年後見」についてのマンガの連載です。
今回のシリーズは、「成年後見」についての聴き取りのお話になります。
後見制度を利用できるかどうかは、「診断書」をみてみないとわかりませんね。
「診断書」により「後見申立」「保佐申立」「補助申立」のうちいずれかの申立をすることになります。
「同意権」の内容を覚えるのは・・・・たいへんですね~
申立をすれば、保佐人にさらに「同意権」「代理権」の内容を追加することができますよ~
申立ての動機は、本人のためでないことが多いですね。
申し立てをすることにより利益を得ようとする方が相談に来られたりします。
「ととさん(標準語訳:父親)の不動産を売ろかねと思って不動産のとこに行ったら、成年後見人ば選任したらでくるばい!と言われたばってんが・・・」
という人がやってきたり
「亡くなった かくさん(標準語訳:母親)の土地の遺産分割ばしたか(標準語訳:遺産分割をしたい)!けん、遺産分割の時だけ認知症の長男の成年後見人ば選任してもろて、終わったら辞めてもらいたかね。」
↑
成年後見人は選任されたら、判断能力が回復しない限り本人が死ぬまで辞めることができないので要注意です!
そういえば、「成年後見の申立て」の相談だけでやってくる方は少ないですね。
「遺産分割」とか「不動産売買」の相談の中で「成年後見」の話で出てくることが多いです!
「遺産分割」では認知症の人(被後見人)を守るために、その法定相続分を確保するような内容にしなければいけません!
後見制度は、被後見人等(認知症の等判断能力の低下した人を)を守るための制度なので、親族の利益のために利用すべきではありません。後見制度に対して不満を持つ方は、この点を誤解する人が多いと思います。
「後見人が親(被後見人)の預貯金通帳を取り上げた!これまで親(被後見人)の年金で暮らしていたのに。」
・・・・等々
そうそう、後見人になってみてわかったことが、「何でもできるわけではない!」ことですね。
権限が与えられているとはいえ、「何でもしちゃいけない!」ことを実感しました。
後見人が注意しなければならないこととして、本人と親族との関係があります。
司法書士は何でもできるわけではないので、時には親族に協力してもらわないといけないことがあります。親族との良好な関係を構築することも大切な事なのです。
後見人は就任すると情報を収集していきますが、特に重要な情報のソースは家庭裁判所の事件記録になります。申立書やその添付書類なのですね。
選任される後見人に役に立つように、充実した内容の申立書等の作成を心掛けています。
もっともっとお話ししたいことがありますが、それはまた次回ということで・・・
つづく・・・
2020年1月15日 更新
欠格事項がなくなったので、マンガ13頁及びその関係個所削除
成年後見の小噺なのですよ~ 第1話
「成年後見」についてのマンガの連載です。
今回のシリーズは、「成年後見」についての相談・申立のお話になります。
判断能力に応じて、「後見人」「保佐人」「補助人」が本人(判断能力の低下した人)をサポートします。
後見:日常生活での買い物等一人でできない
保佐:(車を買う・不動産の売買等)重要な契約等できない
補助:ちょっと契約等自信がない
「成年後見」の相談は、「遺産分割」「不動産売買」に関する相談の時によく出てきます。
相続人や不動産の売主には、判断能力がないといけないからですね。
「成年後見制度」を利用しようと思うときには、4つのデメリットを知っておく必要があります。
「成年後見人等」は、家庭裁判所に申し立てて、家庭裁判所の裁判官が選任することになります。したがって、「成年後見人等」の候補者を申立書に記載することはできますが選任されるとは限らないのです。
また、「成年後見人等」は契約等で決めることができませんよ!
「遺産分割」をする場合には、「法定相続分」という遺産の分け方の目安・基準がありますが、判断能力が低下した人の「相続分」を無視することはできませんよね。
「成年後見制度」を利用しようと考える人は本人以外の人なので、本人以外の人のメリットばかりに目がいってしまいます。「成年後見制度」とは、本人を守るための制度なので、この趣旨を忘れて「成年後見制度」を利用すると、「こんなはずじゃなかった」等大変なことになったりします。
ちなみに、(本人が)判断能力が低下したからといって必ず「成年後見制度」を利用しなければならないというわけではありませんので注意してくださいね。
つづく・・・